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会社設立の本店所在地はどこにする?自宅・賃貸・バーチャルオフィスの選び方を司法書士が解説

著者 工藤 拓弥

司法書士・行政書士

会社設立登記を中心に、許認可申請や補助金など、創業時に必要となる各種手続きを支援している。
自身で創業支援会社を経営しており、単なる手続きにとどまらず、事業開始後を見据えた支援を重視している。

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会社設立の本店所在地は、自宅、賃貸オフィス、バーチャルオフィスなどから選べます。ただし、登記できることと、賃貸借契約・許認可・銀行口座・郵便受取まで支障なく使えることは同じではありません。

この記事では、会社設立後に本店移転を余儀なくされることを防ぐために、本店所在地をどのように決めるべきかを解説します。

本店所在地は会社の登記上の住所

本店所在地は、定款で定め、登記事項として公示する会社の基本事項です。定款では最小行政区画までを定め、番地までの所在場所を別途決定する設計が可能です。ただし、会社設立の登記申請時には、番地まで決定する必要があり、それが一般に公示されることとなります。

自宅・賃貸・バーチャルオフィスを比較する

選択肢利点主な確認点
自宅初期固定費を抑えやすい賃貸借契約、管理規約、住所公開、来客・郵便
賃貸オフィス事業拠点を説明しやすい契約開始日、許認可の設備要件
バーチャルオフィス住所利用の費用を抑えやすい許認可、銀行審査、郵便受取

どれが常に最善とは限りません。予定業種、対面対応の有無、契約条件、将来の採用や移転可能性から選ぶ必要があります。

決める前に確認したい5項目

1. 契約・管理規約で事業利用が認められるか

登記が受理され得る住所でも、賃貸借契約やマンション管理規約に違反すれば、貸主や管理組合との問題になり得ます。「登記可」「事業利用可」「郵便物や看板の扱い」を契約先へ確認する必要があります。

2. 許認可の営業所要件を満たすか

業種によっては、独立した区画、設備、使用権限などが審査されます。会社登記ができても、その場所で許認可を取得できるとは限りません。予定する許認可の所管行政庁へ、契約前に確認することが必須となります。

3. 住所が公開されることを許容できるか

本店は登記事項です。自宅を本店にする場合は、自宅の住所が一般に公開されることになります。固定費だけでなく、プライバシーや郵便・来訪への対応が可能か等を検討する必要があります。

4. 法人口座や取引先へ事業実態を説明できるか

口座開設の審査基準は金融機関ごとに異なります。本店所在地だけで可否が決まるとは断定できませんが、事業実態が認められないと判断されれば、銀行口座の開設ができないこととなり、事業を開始できない可能性があります。

5. 近い将来に移転する可能性があるか

設立後に本店を移す場合は、本店移転後に変更登記が必要となります。移転前と移転後で、法務局の管轄が異なるかどうかによって、必要となる費用が変わります。短期間で移転する見込みが高いなら、あらかじめ、資金計画へ移転費用等を見込む必要があります。また、許認可や税務、労務の観点からも、変更の届出等が必要になる可能性がありますので、各専門家に相談することが推奨されます。

本店所在地を決める順序

  1. 予定業種と許認可の有無を洗い出す
  2. 候補住所の契約・管理規約を確認する
  3. 住所公開、郵便、来客、口座開設可否等を確認する
  4. 移転可能性と費用・手間を確認する
  5. 定款と登記書類の住所に齟齬がないか確認する

資本金や事業目的も住所選択と相互に関係します。資本金については会社設立の資本金の決め方も併せて確認してください。許認可がある場合は、事業目的と営業所要件を所管行政庁へ個別に確認することが必要です。

本店所在地と会社設立をまとめて相談する場合

当事務所では、事業を円滑に開始するために、本店所在地をどのように決定したらよいか等の相談もお受けしております。個別相談はお問い合わせフォームからご連絡ください。

よくある質問

自宅を本店所在地にできますか

自宅を本店として登記することは可能です。ただし、賃貸借契約や管理規約、許認可、住所公開などは別に確認が必要です。

バーチャルオフィスならどの業種でも設立できますか

会社設立登記は可能です。ただし、会社登記の可否と許認可の営業所要件は別です。予定業種の所管行政庁への確認が必要です。また、金融機関に、事業実態がないと判断されるリスクもあります。

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